アマリリス/月乃助
 
眠たさを誘う 五月の街
Market Street 1200
サンザシの木がほこらしげに 赤い花を咲かせていました
通りを染めるほど 目に映えるほどに
歩きながら目にできる家々の
フラワー・ベッドは、どれも
花の香りにうもれて、

    (【May flower】)
      
陽の光があふれるばかり
神々しいほどに 手をかざすほどの 春でした
かわいた、優しい風が四つ角に生まれて
人の心を慈しみ つつんだりしたのは、

      ・
どこへいったのですか
葉の落ちた枝は今 一つ残らず皺だらけで、
ほんの少しの赤い実が、鳥に許しをこうほどに
枝に身
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