アマリリス/月乃助
 
に身をよせる
さびしさばかりが、ふりまかれ

      ・
おかえりなさい、
帰る場所はちゃんとあるのに、

   (【spring dream】)     

春の夢をみたくなっただけなのですから、
大事に箱につめては
ベッドの下に押し込んでおいたのに なにも残っていないなんて
そこからは、いま
朽ち葉のすえたにおいさえも してくる

      ・
肌恋しい
冬の夜に
咲くアマリリスの花 一りんがあってくれたら、

   (【Amaryllis scent】)
      
黒く投げ捨てられた寒い夜を 春の想いは
男のにおいに
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