生きていることを問い直させてくれる美術展 医学と芸術展@森美術館/イダヅカマコト
られた新しい芸術形式でなければ語れなかったものがイシグロの小説にはあります。
ただ、この日の私にはクローンではなく今目の前で起きている子供を臓器目的に売っている人たちの倫理や社会を『医学と芸術』の形で取り上げられなかったのかということに強い関心がありました。
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この日見た中で断トツに目を惹いた作品は松井冬子さんの<strong>『無傷の標本』</strong>です。
大木の根に座る足を開いた全裸の少女を中央に配した大きな掛け軸です。
少女の頭に巻かれている花輪と対照的にその右側の黒い渦は枯れ葉を巻いています。その
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