12月のボーイズラブ特集 副題:知と愛の接触/済谷川蛍
 
く家を出たので小学生の一団が連なって登校しており、大通りの歩道をぶらぶら歩いていた。先頭の高学年の子はいかにもつまらなそうに黙っており、後方の小さい連中は自由闊達に騒いでいた。わたしは無職時代、彼らのことを自分の部屋からブラインドに小さな隙間を開け、双眼鏡で覗いていたことがあった。なぜかそういう好奇心がいつとも知れずわたしの中から湧出した。ともかくそんなことしていたのだが、かの美少年は一度も観た事が無かった。彼の家と彼が通う学校の位置関係からすると、その通りを歩くか、もしくは自転車で通るはずなのだが……。
 わたしは時速四十km近いスピードでスーパーに向かった。

 わたしはかの少年に返
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