12月のボーイズラブ特集 副題:知と愛の接触/済谷川蛍
 
きにはもうわたしは心変わりしていた。彼に会いたいし、仲良くなりたかった。わたしは友達がひとりもいない。恋人もつくったことがない。おそらく、そのように生まれついた。だからこそ、この孤独無縁の辺境地帯に現出した少年に救いを求めた。それに何より、彼は綺麗だ。綺麗なものがいつか汚れてしまうのなら、自分が汚してしまいたいものだ。

 夜になって震えるような手つきで手紙を取る。ベッドに腰かけ、生花に触れるようにそっと手紙を開いた。既に何度と無く読んだ文章が再び鮮やかな光を帯びた。わたしの心は躍動する。生気に満ちて、人相に光が差す。彼に影響されて自浄作用が働くようだ。相変わらず彼の文字は美しい。なんとも朗
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