Bus stop/パール・ハーバー/月乃助
 


今は、ときおり
子どもの運転手がやってくる
夏に、レモネードを売ったり、

十二月の空
暖かな島に、たくさんの飛行機が飛んでいった
煙の中を
叫喚の中を
蜂のようにとびかう

― あのときと同じ青色の、

あたしを、その先の空を
見あげる
子どもたち

そこから乗り込めば 二ドルばかりで
隣町にだって往復できた 

昔の話といって
忘れますか
冬だといって
コートの襟をたてては、耳をふさぐように
幸せな子どもの声が
ここにあるのなら なおさら、

やってきたって そんな昔の
バスに乗っている人たちは誰も知らない、
ここで待っていてもしよ
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