Bus stop/パール・ハーバー/月乃助
{引用=
赤錆びた鉄くずに
音ばかりがしてきそうで、
枝の間にのぞく空の端に
来るはずもない
飛行機をみていた
確かにここでは、ディーゼルの音が
あんなにも していたのに
St.Charles Street
平たいコンクリートは、
打ち捨てられたバス停の
歴史の小さなプラット・フォーム
黒く染められたように 黙っている
赤く縁取られ
枯れ葉に浸食され 横たわる
たわんだ電線の上に 時をため
肌をさらす プラタナスの
バスはもう
やってこないのです
【Bus Stop】のサインもない そこに
いつか バスがとまっては
人の足音を聞いたのは、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)