口髭で人はノロけられるのか/robart
問はほとんど意味がないんじゃないかと思う。この手の質問はなんのために存在しているんだろう?しかし、彼女はこの手の質問が大好きなのだ。
「夏は好き?」彼女は訊ねる。
「冷房の効きすぎたカフェがなければ少しは好きになるかもしれない。」僕は答える。
「じゃあ、好きじゃないの?」
「すごく好きでもすごく嫌いでもない。」
「わたしは夏好きだけどな。」
「口髭とどっちが好きなのさ?」
「どっちも。」予想通りの返事。
「It's funky モーパッサン。能書はもうたくさん。」
「なにそれ。」
「GRAPEVINEのマダカレークッテナイデショー。」
「あぁ。」彼女はこの手の音楽も大好きなの
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