架空の国と、マクドナルドでゆっくりと立ち上るタバコの煙/robart
 
口を出すようにもなった。だが僕がA国には存在しないように、彼らも僕の世界には存在しない。これはルールでも法でも定義でもない。当然の事実だ。しかし彼らは僕のニューロンを通して僕に注文をする。もっとA国を温暖なところに配置しろと主張した与党がいて、いやもっと涼しいところがいいと反論する野党がいた。僕は彼らに、せめて意見を統一してから注文するように言い、そして僕個人としての責任を果たすべく地球温暖化についての本を数冊購入したりした。こんなことはあり得ないことだ。彼らは僕にもっと賢くなれだとか、C言語をマスターしろだとか、建築基準を見直せだとか、そんな主張を繰り返してきた。ことあるごとに人権を主張し、僕の
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