【超短編小説】走る僕の足/なかがわひろか
 
で冬篭りを終えた虫のように蠢いた。
僕は女をその場に立たせ、無理やり性器を女に突き刺した。このような行為が禁止されているのは知っていた。けれど僕にはもう自分を止めることができなかった。女は嬉しそうな悲鳴を上げ、僕はコンドームもつけず何度も何度も女を突き上げた。
僕の記憶はそこで途切れていた。僕は女に挿入しながら、ここに来てしまったのだ。女はその後僕のことを店のマネージャーに知らせただろうか。僕はきっと多額の罰金を支払わされるに違いない。あれほどよがっていたにも拘らず、女は僕から金を巻き上げるのだろう。僕はほとんど残っていない貯金を全額下ろされて、それでも足りない場合はサラ金で用意させられるのだ
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