「冬の肌」(3/3)/月乃助
。重の知っている神様はその姫命だけで、だから、同じ痣を持つ娘に出会ったのはその姫さんの導きかもしれぬ。
それとも…。
ネイティブの村に林立する、大きな木の柱に彫り込まれた獣達の姿を思い出し、そんなネイティブの崇める神さんの力が、どうしてか娘と重を会わせたのだろうか。中でも大きな羽を広げた鳥の姿は、姫命以上の猛った力がありそうだった。
娘は、裸になるとベッドの中に滑り込み、重が始めてそこにいるのに気づいたように、重を今度は女が客を値踏みするような顔になって見ていた。わずかに目じりの切れ上がったそれが、勝気な性分を見せるのに、重は、それに気づかぬふりで、着ているものを剥ぎ取るように脱ぐと、
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