「波の声をきいて」(11)/月乃助
 
ってきた。セーラはSayoと同じほどの年で、サーバー仲間としては気が合う。
「へえー、こいつか。結構、小さいじゃない」
「ああ、まだ、子供だと思うわ。大人だったら、とてもここまで運んでこられないわよ」
「そうよね。でも、可愛い顔してるじゃない。Sayo、動物愛護協会SPCAならきっと面倒見てくれるんじゃないの」
「SPCAか…、でも、あれって犬や猫じゃないの」
「さあ、いろいろな動物を扱うと思うけど…」
 Sayoは、それも手かもしれないと思うのだけれど、もう、必要ないかもしれない。
 アザラシは、そんな二人の会話など気にもならないのか、窓辺の日のさす中でまどろんでいたが、それは、知
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