夢国記/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
はやし立てていた。最初怒りを覚えたが、すぐに納得した。子供のうちに死を身近に感じておいて損をすることはない。血や肉などが派手に飛び散っているわけでもなかったから、それほどのトラウマにもならないだろう。
そのうちに人も集まりだし、やがて石垣のようになった。何かの物売りでも来そうなほどだった。不謹慎な見物客はああでもないこうでもないと、井戸端会議めいたことをあちこちで始め出した。見る前に、踏み切り近くのスーパーで半額になった焼豚を買っていたが、見た途端すっかり食べる気がしなくなり、忌み嫌うべき禍々しいものにしか見えなくなったので返品しに戻った。事情を話すと、普通こういうものは返品は受けないんですが
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