夢国記/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
たま休みだった時で、運悪く現場に居合わせた。何があったかは知らないが、急行が停まらない駅なので急行電車に向かってホームから飛び出し、そのまま運転室へタックルを決め玉砕したようで、踏み切りを少し越えたところに停車した車両の前面の車窓に、細い体が干された洗濯物のように折り曲がり、腰から下を力なくぶら下げていた。後で新聞報道を見ると30代後半の男性ということだったが、白っぽい服にジーンズ姿の身体が細かったので、見た時は女性のように思えた。車両が留まっている間、踏み切りの規則的な警報は途切れずにそのあたりを包み、見に行ってこい、見に行って来い、と近所の不動産屋の親父が近くにいた学校帰りらしい子供たちをはや
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