「波の声をきいて」(8)/月乃助
っちの方が面倒かもしれない。ボートにのせて海峡の真ん中辺りに投げ捨てたりするのだろうか、それはかなり大変そうに思えた。
怪我をした動物達を収容する病院のようなものがあったように思うが、それも確かでなかった。もしあっても本土の方だったら、どうやってそこまで連れて行こうか、Sayoは、煩雑すぎるので拾った猫を飼うような勢いで、アザラシを部屋に置くことにした。いつも、そんなふうに物事を決め、そして、どうにかなってきた。
「さっき痛み止めのカプセル、顆粒だけ取り出して、口にいれておいたから、また、寝るときにやってみる。少し楽になってるみたい。錠剤だとすぐに吐き出すからね」
怪我をした動物はいらだ
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