「波の声をきいて」(2)/月乃助
覚の問題だと、Sayoは、シェフにスー・シェフ達が、同じような料理学校で同じような料理を勉強してきて、ありふれたメニューを考え出すのに、そこからは、何かとっぴなすばらしい料理は生まれず、それは、この国の世界に名だたる料理のようなものを欠如させている理由と同じだろうと勝手な見解を持っていた。
それでも、店がはやっているのだから、と、Sayoはやはり少しばかりありがたく思う心はあった。
「ほら、Sayo、204のテーブル。お客がもう食事を終えてるじゃない」
マネージャーのスティーブが、サーバー・ステーションで来週のスケジュールをチェックしていたSayoに後ろから声をかけた。三年たってもヨット
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