「あざらしの島」(2/3)/月乃助
ことにしている。
男達は、灯台の中やレンズをひとしきり調べたり、近くの機械室のようなところに入ったまましばらく出てこないのに、女はその中で男達がただ昼寝をしているのをもう知っていた。
「この灯台は、1904年にできたらからかなりの爺さんだからね。でも、この辺りで、第五等の閃光レンズは、三番目に大きいし、それに、不動光でなくオカルティング・ライト明暗光なんだから驚くよね」
「そう、オカルトなの」
「違うって、オカルティング」
女は、相槌を返しながらそんな説明を聞き、意味は解さず、男の腕の太さを見つめていた。
そんな男達の中には結構重宝な者もいて、20?の小麦粉や非常用の4͎
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