「あざらしの島」(2/3)/月乃助
467;入りの水とか、そんなものを持ってくるのが女の一人暮らしでは大変だと愚痴をこぼすと、救難用のゾディアックボートに積んで持ってきてくれたりした。
どこから持ってきたのか、海軍のマーク入りのそんな食料品に、値段をきいてもただ笑っておいていくのだった。女は同じ男がやってくる時には、海草で作ったゼリーや岩場で獲ったロック・フィッシュのステーキを出してやったりしている。
そして、それをうまそうにあっという間にたいらげる男の、島では見ることのないその海の男くさい相貌と健康な食欲に、男の料理を咀嚼する口元を見つめながら、男に求められベッドに行く場面を次に描くのに、男はひどく礼儀正しくどうしてかそれ
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