「あざらしの島」(2/3)/月乃助
 
つめたりするが、大概はする仕事を終えるとすぐに町に戻っていった。
 そんなラジオの男達の他にも、灯台のメインテナンスに沿岸警備隊の基地からこちらはオレンジのライフ・ジャケットをちゃんと着た男達がやってきたが、その男達は、愛想が良く簡単な家の修理を頼むと誰も嫌と言わないのは不思議だった。そんな時は、まるで誰かが女のために金を払って、必要そうな時にそんな便利な男達を島に送り込んでいるようで、それが、町の誰かの仕業であるのではと、疑うほどだった。
 ただし、そんなことを女のために本当にしてくれそうな知り合いは、町にいなかったので、やはり女はそれを島にやってくるメインテナンス係りの男達の期待と思うこと
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