「あざらしの島」(1/3)/月乃助
思ったりする。それでか、浅瀬に歩みを潜める青サギの姿に、魚の獲り方を学び、今では、簡単に手で泳いでいる魚を漁どることができるようになっていた。
赤潮でなければ、アサリを食べ、ハンマーとチズルで牡蠣を岩から剥がして焼いた。
蝶番のすぐ横上の貝柱をくっとナイフで切ると、すぐにあきらめた牡蠣はその固い口を開けた。それでも娘のほうは牡蠣が好きではないので、それは、女のためだけの仕事になり、面倒さが勝ってしまうと、いつまでも牡蠣を食べることをやめてしまったりする。
ただ、そのなかに真珠があれば、女はそれをとっておき娘にやった。娘は大してありがたがりもせずに、それをコツンと音をさせてジャムの空き瓶
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