【@】/月乃助
、
それは、ひとりだけでも十分に生殖ができようとも
雌雄同体は、けして相手をひつようとしない ―♂♀―・
ということではないのです、
自家受精ほどの悲しさは知り尽くしているのですから
生まれながらに選択を許されぬ性は、名前のように
一生の間、もとめもせずについてまわるのに
選べるものなら、何不自由なく選んでしまえば良いのです
そうきめて 登録済みにしてしまう
苦労するものなど、ほんの一握りのものたちと
嘲笑いながら
殻のなかに身をちぢこませようと、
くちをあけたそこからは、
あまたな人の手がさしこまれては、
肌に触れるのですから、
どんなに身をよじろうとも
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