「名」馬列伝(9) ビッグテースト/角田寿星
の、久々のG1勝ちだった。
そして、われわれが少なからぬ勇気をもらった騎手の、記念すべきG1勝利だった。
常石勝義。
96年デビュー。のちに「花の12期生」と呼ばれる世代である。
乗れる騎手だった。デビュー5か月で12勝をあげた。
しかし、その年に落馬事故。脳挫傷で意識不明の重体となる。
意識不明の間も、競馬中継に体が反応したらしい。
意識を取り戻した第一声が「いつ馬に乗れますか」だったらしい。
落馬から半年後、奇跡的な復活を遂げた常石騎手は、重賞1勝を含む23勝をあげる。
その後、常石は障害レースにも騎乗するようになる。
言うまでもないが、障害レースは平地に比べ、
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