「青髭」/月乃助
占有する仕事はやまずにやってくるのです
休み無く わずかに息つくこともゆるされない
平穏をうらやみ 胸をふるわせる幸せも、
あきらめに涙した日も、
カレンダーの紙に描かれた
めぐり来る四角い枠をみたしていたはず
明日をあけることはゆるされずに
ただ、来たものを目の前に開く怠惰な反復運動
それは、部屋の扉をすべてときはなつように
心まつ すくいをもとめた願いでした
恐ろしさをかくし
そうであっても、ゆるされるならば
限りなくめぐりくる日を
完全に解き放ち からっぽのまま置き去りにしてしまう
ただひとつ
小さな鍵のその部屋だけは、
いつまでも傷にさらされた
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