「青髭」/月乃助
 
占有する仕事はやまずにやってくるのです
休み無く わずかに息つくこともゆるされない 
平穏をうらやみ 胸をふるわせる幸せも、
あきらめに涙した日も、
カレンダーの紙に描かれた
めぐり来る四角い枠をみたしていたはず

明日をあけることはゆるされずに
ただ、来たものを目の前に開く怠惰な反復運動
それは、部屋の扉をすべてときはなつように
心まつ すくいをもとめた願いでした
恐ろしさをかくし
そうであっても、ゆるされるならば
限りなくめぐりくる日を 
完全に解き放ち からっぽのまま置き去りにしてしまう

ただひとつ
小さな鍵のその部屋だけは、
いつまでも傷にさらされた 
[次のページ]
戻る   Point(4)