焦燥が鳴る/榊 慧
て篭ってると思ってるのか。
俺の世界はむしろ同級生のそれよりも広いと自負している。これだけは。(しかしその世界は同級生らのそれよりは広い、というだけで俺は実際には広くもなんともない。ものすごく狭い。)ただ、特に注意していることが違うのだ。俺は彼ら彼女らの興味を持っていることはすでに終えたか、必要ない・くだらない(つまらない)・好きでないとどんなものかと見学して参加しなかっただけだと思っている。俺が殻を被っているとしたら、すべてのどんな人も被っている。皆が被っていないのなら俺も当然被っていない。何が基準なのかを問い詰めてやろうか、と毎回毎回思うのだ。
俺は社会に埋もれたい。金を儲
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