焦燥が鳴る/榊 慧
を儲けたい。自分で自分の生活を送れるように金を儲けたい。自分で金を儲けることがまず自由への一歩なんだと俺は思っている。自分で金を儲ければ「クソの役にも立たない」「生きてる価値ない」等の言葉を(会社などの中では吐かれることもあるかもしれないが)言われる筋合いはなくなる。俺は今、何の役にも立たないただ浪費しているだけの身分だ。それが悔しい。何も言い返せない。事実そうだと自分で認めている。だから、自分で金を稼ぐ意外の脱却の方法はない。何かの技能が必要だ。
急いで行動しなければ停滞してしまうのは明らかだ。己で己を引っ張っていくよりほかに俺には方法が見つからない。傷の舐め合いでも塩を塗るよりはましだろう。……俺は、幼稚なのだ。多分誰よりも幼稚なのだ。弱いのだ。幼稚で弱いのだ。
…救いようがない。焦る事しか俺はしていない。……幼稚なのだ。
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