宗左近さんの詩の捨て身で描かれている静かさ/イダヅカマコト
 

炎えている
もはや
炎えている

炎の一本道

走っている
とまっていられないから走っている
跳ねている走っている跳ねている
わたしの走るしたを
わたしの走るさきを
燃やしながら
焼きながら
走っているものが走っている
走っている跳ねている
走っているものを突きぬけて
走っているものを追いぬいて
走っているものが走っている
走っている
母よ
走っている
炎えている一本道
母よ}

空襲のさなか母とはぐれ、それでも自分は生きるために走り続けている。
「走っているものが走っている/走っているはねている/走っているものを突きぬけて/走っているものを追い
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