宗左近さんの詩の捨て身で描かれている静かさ/イダヅカマコト
思潮社の現代詩文庫は一冊で一人の詩人の代表作を多く読めるセレクション詩集です。
一人の人の代表作を多く読むことはとても不思議な気持ちがします。
ある人の長い年月、時には20年以上を一度に読んでいることのです。しかも、一冊一冊の詩集はたいてい別のコンセプトで書かれているはずなのに、丁寧に追っていくと見えない岩にぶつかります。
『現代詩文庫70 宗左近詩集』より学ばされたことは、その静けさでした。
{引用=ほととぎす 宗左近
ほととぎす鳴きつるほうをながむれば
ただ有明の月ぞのこれる (後徳大寺左大臣)
空がすみわたっている
(とけている
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