小詩集【よろこび】/千波 一也
の
余韻のような
風に抱かれて
わたしは本の
続きと親しむ
きまぐれな
博士の帰りを待つように
して
四、うらみ星
いのちを終える
瞬間の
あの
星が
そう、
うらみ星
ひとは
ひとつの星の
死をわすれ
きれいとよろこび
願いごとさえ託すから
夜空は
闇を
なお
深めゆく
ごらん
すぅ、っと
ひとすじ流れゆくもの
あれが
そう、
うらみ星
はかり知れない怨念に
こころの奥まで
染められて
きれい、と
焦がれる
ぼくたちは
そう、
たやすく
死んではいられない
生きるというこ
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