「かくれんぼ」(妹)/月乃助
……なな〜つ、
や〜っつ、
ここの〜つ、とお〜
どこに隠れようとも
ひとたび
目をひらけば
あたしは 心のいやしい 鬼
だ から
ようしゃは しない
銀杏の陰/すべり台の下/痴漢に注意の看板 の向こう
たった ふたりだけの わらべ遊び
「みっけ」の声に、
妹は、きまって足に小石をけって 一度は残念な顔
すぐに 笑ってあたしに とびつく
おかしくて
勝って 少しばかりの偉い姉の手を のばし
妹の 頭をなでてやる
かくれんぼ
思い出にかくれた 妹は 美しいまま
遊びは、
えんえん 終わらず
いつまでも はてまでも
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