「かくれんぼ」(妹)/月乃助
 

妹がいなくなった 今も これからも 

庭の
青林檎 一番大きな実の 枝先にかくれても
ひさしの下の蜜をすう 蜂鳥になっていようと
繁茂する赤いコスモスの一輪だろうと
鬼の あたしはちゃっかり
妹を見つけてる

声をかけ
指に触れれば
少しも 笑顔は変わらぬ
少女の それ 
  
たぶんこんどは、 やっぱり好きだった
ななほしてんとう虫になって やってくるんでしょ 
そんなことまで 分かっているのは
不思議な話

きっと 
想いか 願い
この世に いつまでも 生きながらえる
つめたい鬼は ちからが あるのか
そんな こと


い のに 見つければ
きまって ひとすじ 流れ堕ちる

鬼のなみだ







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