付録がほしい/白紙
しかし近代以降、共通のイコノグラフィは壊れてしまいました。
近現代のアートは「読めない」作品のオンパレードです。
ピカソの『マ・ジョリ』という絵は、彼の恋人に捧げられたもので
だから画中にマ・ジョリ(我が恋人)という文字が書かれています。
そんなこと、見る側の感性だけでは分かるはずもなく、
極めて私的なイコノグラフィ(図像学)と言うことができます。
詩人もまた極めて私的な象徴性を言葉に内蔵させるわけですが、
私はそれを詩人の自慰とは思いません。
描かれた世界とは眺められた世界からの切り離しであり、
同様に詩語もまた日常で語られた言葉からの切り離しです。
この分離に、か
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