ハタチ女の憂鬱/ゆるこ
 
くはいかない
そうやって自転していくのだとはじめて知った



神社の境内前の階段で白いスカートを手繰り寄せてどすん、と座る
青々と茂った雑草に軽く嫉妬しながら右手に置き忘れられている自転車を見下ろす
きっと私のような若者がここに来て、蚊の多いこの敷地内で死んだのだろう
ここは静かな自殺場所。そして再生できるサンクチュアリなのだから。

竹林の土木作業員はもくもくと木を切り取っては竹に話しかけていた
小さい声でひそひそと話すものだから両耳をそこにそっと置いていった
豪腕な腕の作業員はひっそりと
女の竹の生理を心配していただけだった

小学生が風ならば私はさしずめ雨水
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