今日の読書記・其ノ一 ー リルケ・小林秀雄・ヘルダーリン・西山あまね・松尾芭蕉 ー /服部 剛
 
はいやだ いやだ)という彼の歩く足元に(水溜りには 細い空のコピー かなしいほどの藍色だ)というふとした瞬間の情景の切り取り方がとても印象に残り、(せめて空を見上げることだけは 僕からけして うばわないでください)という詩の最後の言葉から、この純粋そのものの魂を持つ詩人の切実な願いが伝わって来ます。 


   松尾芭蕉「おくのほそ道」 


 先々月辺りから、ゆっくりと芭蕉さんと歩むような気持で、日々この古(いにしえ)の本を開いていますが、芭蕉さんの旅も中盤も過ぎ・・・東北の地を歩いている芭蕉さんは、歌枕の最上川で船に乗ろうと、天候の良い日を待っていると、地元の人が(私達も俳句の素晴
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