戦争を捉える方法 −奥主 榮詩集『日本はいま戦争をしている』−/大村 浩一
客観的に時代を描写した詩の3種類の詩が混在している。
詩は何を描いたか、主題に何を選んだか、だけで評価されてはならないと私
は思う。どのように描いたか、その巧拙はアートとして必ず問われるものだ。
だが同時に、どれほど巧みに描かれた作品であっても、同時代に対する意識や
責任が全く欠如した作品に対しては、単なる言葉の綾だとしか感じられない時
もある。その両方を満たして緊張した完成度を得ることこそが、拘りを持って
作品を描こうとする者の課題なのだと私は考える。
その両方を得た詩のひとつを、現代詩フォーラムでも読むことができる。以
下にそれを引用しよう。フォーラム掲載時に比べ、細部にさ
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