戦争を捉える方法 −奥主 榮詩集『日本はいま戦争をしている』−/大村 浩一
にさらに変更が加えら
れているので、詩集での状態と対比してみるのも興味深い。
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=139763
夜のむこうがわから
闇に塗り込められた夜を透かし姿をあらわしたのは
輪郭を彩るおだやかな光ではなく
脂を浮かべた水たまりのようなよどんだ原色の
目を背けたくなる輝きであった
かつて街や家々の間を通り抜けた風のうるおいが
また戻る日が訪れるのを待ち 耐え生きのびた忍従の夜と昼とは
その重さをいささかも緩めることはなく
まだじわじわと人々の喉を締めあげる
不図漏らす言葉の一つひとつに目を光らせな
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