駝鳥と鳥ー突然群れから離れた君へ-/……とある蛙
 
飛翔する鳥は駝鳥を馬鹿にしていた。
飛べない鳥は鳥では無いという彼らの傲慢さ

飛翔する鳥は自由だという。
飛翔すること自体が美だと。
彼らは美を体現していると自ら誇る。
それを群れの中の仲間内で自慢し合う。

しかし、
自由に飛んでいるつもりだが
たった1個の石飛礫(いしつぶて)で群れは霧散し
当たった鳥は落下する。
奈落の底に落下する。
底の浅い自由よ。底の浅い誇りよ

しかも
地上に降りた鳥は悲惨だ。
よつあしに喰われないか、いつも怯えている。
無表情でびくびくしている。
それでも簡単には死なない。死ねない。
本当は鳥の本能として
彼等は地上を恐れ、
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