駝鳥と鳥ー突然群れから離れた君へ-/……とある蛙
 
れ、
地上から逃げだそうとしているだけなのだ。
それで一生終わる。

真実、彼ら鳥は大空に縛られているのだ。

鳥は自由だと勘違いしている。
自由に飛んでいるつもりだが
いつかは疲れ果てて落下する。
奈落の底に落下する。
底の浅い自由よ。
地上は彼らの生まれたところだ。

しかし、空を見上げることすらない駝鳥は強い。
いつも地面にあるはずの餌を探して血眼だ。
彼らの頭上に大空は無い。
あるのは遙か彼方にあるはずの地平線だけだ。
追いかけても到着しない地平線だ。

だから、駝鳥は首を伸ばしてキョロキョロし、
いつも地平線まで
逃げ出すチャンスを伺っている。
彼らもまた地上から逃げ出そうとしているもので。
結局、鳥は何かに縛られている。
だからいつもびくついている。

イメージの貧困なものは悲惨である。
しかし、イメージすらないものは幸せだ。

怒りながら笑えちまう。
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