「水のいのち」について/……とある蛙
ないもので、しかも深みはありません。深さはなくても幸せを投影することは出来ます。水たまりの現実は空を写すことによって希望を我々に与えてくれます。
そして、水は川になります。川はさかのぼれません。空という希望を思い、山という雄大な結果を心に思い描きながら下へ下へと流れてゆきます。川の流れは誰も食い止められず、下流へ下流へと流れてゆきます。それは宿命であり意味を問う必要すらないのかも知れません。
そして、海です。高野喜久雄氏が海に関して2編の詩を書いたのはどのような意味でしょうか。全ての行くつく先、つまり、死のイメージと全ての生物の母である創世のイメージの両面を持っているからではないでしょ
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