幻人形/within
草叢に横たわっていると、朝の草露がわたしの頬に滴り落ち、がらんどうの身体は血も通ってないのにどくんどくんと脈を打っている。
「そんなところにいては寒いだろう」
と父さんがわたしを家に招き入れてくれた。温かいスープを出してくれたけれど飲んでも飲んでも中身のないわたしには温もりがわからず、ぽろりと涙のようなものが頬を伝った。
父さんは実の娘が着ていた洋服を着せてくれて、わたしは別に構わなかったのだが、父さんが裸ではいけないよというので袖を通した淡い水色のノースリーブのチュニックは、わたしの身体にぴったりで、わたしの青い目と溶け合って、父さんもよく似合っていると目尻を下げて喜ん
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