回転芝居/薬指
入りのリボンで自分の首を締め上げる
泣きながら知らない人の名前を叫ぶ
残りはきみの
知らない人が知っているよ
今日のショーは格別だね
格別さ
ごらん
風変わりな演劇をやっているよ
見ることも聴くことも禁じられた青年が
それでも彼女を抱きたいって
暗闇の世界をさまよっているのさ
何も見えず
何も聴こえない
世界は終わってしまったのかもしれないけれど
それさえもわからない
鼻の奥に残った
彼女の長い髪の匂い
足首に落ちて行くストッキングの手触り
彼女は
どこか遠くへ行ってしまった
青年の手に触れるのは
柔らかな蜘蛛の巣ばかり
そうに違
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