心が運動している詩集 藤井わらび『むらさきの海』/イダヅカマコト
うことを
私はまだわからない
この世には"光"が照るのに
しかし 少しずつ少しずつ
愚かさがわかってくるようだ
胎児は息をする
たった数ミリの生き物なのに
私よりずっと判っている
自分の生まれてきた意味を
計れない命の重さを}
「胎児は息をする/たった数ミリの生き物なのに/私よりずっと判っている」と書かれている行が一番印象的です。
意志を持っているかどうか分からない「数ミリの生き物」に書き手が問いかけているように聞こえます。
そして、その問いかけに対して書き手自身が「私より判っている」と答えているように感じます。
あの、人かどうかもわか
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