東京少年 「新宿 (二)」/虹村 凌
同じくらい、じゃないって言うのはわかるよ」
「その違いが怖いの。だから、ちょっと距離を置いて、冷静になって欲しいの」
「うん」
その後も、ローザは何かを言っていたけど、俺の耳には入ってこなかった。俺には、その好きだという感情の大きさが違うから、重いという説明が理解出来なかった。重いとか、軽いとか、そういう事がよくわからなかった。ローザは何かを説明しながら、時折こちらを見て微笑んでいる。俺も、口角を持ち上げて笑いながら、小さく頷いていた。同じ女の子が、同じ声で、俺の事を好きだと言ってくれていた事が、俄かに信じられなくなる。けれど、それはどう考えても事実だった。そして、今ここで言い渡され
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