東京少年 「新宿 (二)」/虹村 凌
短く言った。
「そうか」
俺が煙草を離すと、ローザは視線を俺に向けた。
「だって、リュウジ、言うことが重いんだもん」
「うん」
「別に、リュウジを嫌いになった訳じゃないんだよ?」
「うん、わかってる」
「リュウジの事、好きだけど、気持ちがね、重いんだ」
「…」
相槌が打てない。
「嬉しいんだけど、今の私には、ちょっと重いの」
「…そっか」
「ごめんね。でも、リュウジの事、好きなんだよ?それは信じて?」
「うん、大丈夫。わかってるから」
そう言いながら、俺は「重い」と言う言葉の意味を理解しかねていた。重い、ってどういう事なんだろう。彼女が
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