たまごがけごはん/唖草吃音
 
だ。
けれども今では洋食なんかに押されてしまって、
半年に一度、よその家族を招待することが出来れば、それが珍しいくらいだ。

そういうことなので、滅多に他の家族を招待することのないわが家族は、
他所の家にお伺いする週に一度のこの日には、どこか申しわけないような、
後ろめたいような、重い気持ちになる。
でも、僕たち家族を招待するどの家の家族も、これが昔から続く慣わしなので、
一応に嫌な顔を見せずにその家の得意とする手料理を振舞ってくれている。
けれど僕たち家族が、電話帳を見て予約する家のメニューも、
ステーキなどはとんでもなく、なんだか質素なものが多くなってきている。

そし
[次のページ]
戻る   Point(2)