迷宮組曲/第3楽章/黄昏/遊佐
 



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暮れ急ぐ空の半分は明日の為のもので
残りの半分が今日と昨日に残した物を映しているのだと、
お互いに主張して譲らない青と赤が、譲り合い一つに溶け合ったなら紫色を生むのだと、天の切れ間には黄昏を織り、飾り付け
空の下には夜を導く為のカーペットを敷くのだと、
誰に教わる訳でもないのに
帰りを急ぐ貴方と、それを待つ私の間で子供達は知るのです
そして彼等も帰るべき道を急ぎ足で辿って行くのです
昼を終い、夜を迎える為の幕間は
気忙しくも緩やかな、名も無き劇団の小さな舞台の上のパフォーマンスにも似て
繋ぐことの大切さを教えてくれているのかも知れないですね


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昼は明るければ明るい方が良い
喩え
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