迷宮組曲/第3楽章/黄昏/遊佐
 
喩え夜が果てしもなく暗くても
眠りに身を委ねる子供達の枕元に
また明日を夢見る心を育んでくれるから…
夜の闇は
疲れたら休むことも必要なのだと教えてくれる
そして彼等も
無駄もまた大切なんだと知るのでしょう

貴方が私達の待つ家を目指すように
私が貴方達の帰りを待つように
昼は夜を目指して西へと傾き、夜は其処で昼をいつも待っている

暮れて行くことの寂しさの中にも
穏やかで欠かせない物が在るのだと知って欲しいのです
無限に繰り返される営みの中に
生命の儚さを感じるのであれば
黄昏を想い、人生に準えて欲しいと願うのです

夕陽は沈むのではなく明日を迎える為に眠るのだと
そう信じて生きて欲しいのです。




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