「・・・・・restaurant」:童話/月乃助
 
ました。
 見たこともない形の、でも、ケーキ?と思えるものです。まん丸い、スポンジで幾重にも色の違ったクリームが重なり、玉のようになっていて、そのうえにイチゴがやはり白いクリームの上にのっているのでした。
 メグは銀色に輝くフォークを手にすると、それに、手を伸ばしますが、ふっとそれをやめたのは、メグがお金があるのか思い出したからです。いつもなら、ポシェットの中にお金をいれているのに、それも持っていません。
「あたし、お金を持ってきてなくて…」
「いえ、もうお支払いづみですから。ご心配なく」
 ウェートレスは、今度は、小さなこれもメグの手に調度良い具合のサイズの、紅茶のカップにきらきら光る
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