「・・・・・restaurant」:童話/月乃助
 
らほらこんなにあるのだから」
 そう言ってポケットからたくさんのきん金のコインを出しては、テーブルの上に置くのでした。
 メグはそのお金を見て、自分が少しもそれを持っておらず悲しくなるのに、次に口にしたケーキの味は、「豊かさ」の味でした。それが知らずに、メグの体にあふれます。
 おじいさんは、早くせんか腹ペコだとまた言っては、手にした杖でどんどんと床をたたきます。
 テーブルには、いつの間にかおじいさんようのスプーンが置かれています。それは、どうしてかさびていて、くねくねと曲がっている、変な形をしています。
「お待ちどうさまでした」 
 欠けた黄ばんだ皿をだしながら、ウェートレスが言い
[次のページ]
戻る   Point(0)