「・・・・・restaurant」:童話/月乃助
 
言います。おじいさんは、よほどお腹が空いているのか、そんなことなど気にせずに出された料理を食べ始めていました。それは、何か濃い色のどろっとしたスープのようです。
 曲がったスプーンで不器用にスープをすくうと、おじいさんはそれを一口食べ、
「にがい、ひどい味だ。まったく、こんな料理腹が空いてなかったら、食べられたもんじゃない。そうだろ、娘さん」
 それを聞いても、メグにはなんと答えたら良いのか分かりません。おじいさんは、文句を言いながら、また次の一さじを口に運びます。
「からい、口が焼けそうだ。まったくもって、これが料理か。わしがよく行くコルドン・グリーンでは、こんなもの食べたこともない」
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