「カマシア」:童話/月乃助
 
からしてくるのです。
 女の子は、ぽつりと、
「運が悪いんだよね、あたしって。きっと…」そんなことを、今度は、青い空を見上げて言っています。
 何だろう、運って。花たちには、それがどんなことか、分かりようもないのです。でも、花たちの美しさも、今は女の子の悲しみを軽くしていないのが、やはりつらいのでした。
 どうしよう。あたし達じゃ、だめなのよ。それじゃ、どうする。どうするって…。じゃあさ。
 花たちは、今度は、甘い香りで女の子をなぐさめようとします。それは、風にのって、女の子をやわらかなブランケットのようにつつみます。
 女の子も、それに気づいたのか、大きく息をすうと、その香りにほんの
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